親からもらった不動産を売却する際に知っておきたい手続きと税金の話

こんにちは。今回は、親から相続や贈与された不動産を売却する際に必要な手続きや、知っておくと得する税金や控除のポイントについてお話しします。不動産の売却は大きなイベントですが、特に親から受け継いだ不動産となると、感情的にも大きな決断が必要ですし、法律や税金の面でも注意が必要です。難しそうに感じるかもしれませんが、この記事を読んでいただければ、少しでもそのプロセスがクリアになるかと思います。

では、早速始めましょう。


1. 不動産の売却手続きの基本的な流れ

まずは、不動産の売却手続きの大まかな流れを確認していきましょう。手続きの流れを知っておくことで、次に何をすべきかが見えてくるので安心です。

1-1. 売却前の準備

親から受け継いだ不動産を売却する前に、まずその不動産の名義が自分に変更されていることを確認しましょう。不動産の名義変更がされていないと、売却の手続きを進めることができません。名義変更の手続きは、親が亡くなった場合は「相続登記」、親から贈与された場合は「贈与登記」として行われます。

次に、その不動産の評価額を知るために、不動産会社に査定を依頼します。複数の会社に依頼することで、相場感がつかめるのでおすすめです。

1-2. 売買契約の締結

買い手が見つかったら、いよいよ売買契約を結びます。この際、売買価格や引き渡し条件、支払いの方法などを詳しく確認し、納得のいく形で契約を進めていきましょう。

1-3. 引き渡しと残代金の受領

契約が成立し、引き渡しの準備が整ったら、物件を買い手に引き渡します。引き渡しが完了したら、残代金を受け取り、不動産の所有権移転登記を行います。この登記が完了することで、売却手続きが正式に終了します。


2. 税金の話:売却時にかかる税金

不動産の売却に際して気になるのが「税金」ですよね。特に、相続や贈与で取得した不動産の売却には、通常の売却とは異なる税金の取り扱いがあります。ここでは、その税金についてわかりやすく解説していきます。

2-1. 譲渡所得税

不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」がかかります。譲渡所得税は、売却価格から取得費や売却にかかった諸費用を差し引いた利益(譲渡所得)に対して課される税金です。相続や贈与によって取得した不動産の場合、取得費の計算が少し複雑になりますので、詳しく見ていきましょう。

2-1-1. 取得費の計算

取得費は、親がその不動産を購入した際にかかった費用のことです。しかし、相続や贈与で不動産を受け取った場合、親が購入した際の費用がわからないことも多いでしょう。その場合は「概算取得費」として、売却価格の5%を取得費として計上することができます。

例えば、売却価格が1,000万円の場合、取得費は50万円(1,000万円の5%)となります。これに対して、親が不動産を購入した際の費用がわかっている場合は、実際の取得費を計上することもできます。

2-1-2. 譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税は、譲渡所得(売却価格から取得費や諸費用を差し引いた金額)に対して課税されます。この税率は、所有期間によって異なります。

  • 短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合):所得税30%、住民税9%
  • 長期譲渡所得(所有期間が5年を超える場合):所得税15%、住民税5%

相続や贈与で取得した不動産の場合、親がその不動産を所有していた期間も含めて計算するため、長期譲渡所得として扱われるケースが多いです。

2-2. 相続税や贈与税との関係

不動産を相続や贈与で取得した際に、すでに「相続税」や「贈与税」を支払っている場合があります。これらの税金は、不動産の売却時には直接関係しませんが、相続税や贈与税を支払った事実は、取得費の計算に影響を与えることがあります。

相続税を支払った場合、その不動産に対する相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」という制度があります。この特例を利用することで、譲渡所得を減らし、結果として譲渡所得税を軽減することができる場合があります。


3. 売却時に使える控除と特例

不動産を売却する際には、税金の負担を軽減できる控除や特例がいくつかあります。これらをうまく活用することで、手元に残るお金を増やすことができますので、ぜひ覚えておきましょう。

3-1. 3,000万円特別控除

まず代表的なのが「3,000万円の特別控除」です。この制度は、不動産を売却した際に、売却利益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できるものです。

例えば、譲渡所得が2,500万円だった場合、この控除を利用すれば、税金がゼロになるという大変お得な制度です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • 自分が住んでいた住宅であること
  • 相続や贈与によって取得した場合、親が住んでいた住宅であること

また、控除を受けるためには確定申告が必要ですので、忘れずに手続きを行いましょう。

3-2. 特定の居住用財産の買換え特例

もし、売却した不動産の代わりに新しい不動産を購入する予定がある場合、「特定の居住用財産の買換え特例」という制度も利用できます。この特例を利用することで、売却に伴う譲渡所得税の支払いを将来に先送りできるため、当面の税負担を軽減することができます。

ただし、こちらもいくつかの条件があり、たとえば売却した不動産と新たに購入する不動産の価格差が重要です。新しい物件が高額な場合に適用されやすいので、計画的に活用しましょう。

3-3. 所有期間が10年を超える場合の軽減税率の特例

所有期間が10年を超える居住用財産の売却には、軽減税率の特例があります。この特例を利用することで、譲渡所得税の税率がさらに下がり、最大で14%(所得税10%、住民税4%)まで軽減されます。

この軽減税率も、長く所有していた物件を売却する際に大変役立つ制度ですので、ぜひ確認してみてください。


4. 売却時の注意点

最後に、不動産を売却する際の注意点をいくつかお伝えします。

4-1. 買い手との交渉

不動産の売却は、必ずしもスムーズに進むわけではありません。買い手との価格交渉や引き渡し条件の調整が必要になることもあります。こうした交渉はストレスになることもありますが、不動産会社とよく相談しながら進めると安心です。

4-2. 税金の計算

売却に伴う税金の計算は複雑な部分が多いため、税理士に相談することをおすすめします。特に、取得費の計算や特例の適用など、専門知識が必要な場面では、プロに任せることで後々のトラブルを避けることができます。

4-3. 売却のタイミング

不動産市場は変動しますので、売却のタイミングも重要です。市場が好調な時期に売却すれば高い価格で売れる可能性がありますし、逆に市場が冷え込んでいる時期だと、売却が難航することもあります。不動産会社からのアドバイスを参考に、慎重にタイミングを見計らうことが大切です。


まとめ

親から相続や贈与で取得した不動産を売却する際には、手続きや税金に関する様々な知識が必要です。譲渡所得税や各種特例、控除などをしっかり理解し、適切な手続きを踏むことで、税金の負担を減らすことができるでしょう。また、手続きや税金の計算に不安がある場合は、不動産会社や税理士に相談することを忘れずに。

このブログが、皆さんの不動産売却の一助となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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